大型犬の成長にともない、股関節の発育が正常についてゆけないことにより起こる異常で、発育途上にみられる場合と、成犬で慢性的にみられるものがある。遺伝性の疾患と考えられている。
幼犬では急に歩行困難になったり階段歩行ができなくなったりする。しかし1歳齢までに外見上治ってしまったようにみえることも多い。一見治ったようにみえても、歩くときに頭が下がっているのは前肢で体重を支えている証拠であるし、またぎくしゃくした歩様であったり、左右の歩幅が違っていたりする。成犬にみられるものも若いときからの異常を引き継いでいるものと考えられるが、筋肉が十分関節をサポートしている時には症状はでなかったものが、あるとき跛行や痛みを示すようになる。
ほとんどの場合手術が行われる。非常に大型の犬では、全股関節置換術とよばれる人工関節への交換が行われる場合もある。