JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

猫の病気その他の寄生虫

成猫では嘔吐の内容物に胃虫がみられることがあります。この仲間には毛様線虫、旋尾線虫などがありますが、約1mm(毛様線虫)から1cm(旋尾線虫)程度の小さな虫です。またまれにですが犬糸状虫(フィラリア)感染が猫でみられることがあります。犬に比べて寄生数は小数ですが、まれに肺や心臓が悪くなり症状をだすものもいます。通常は免疫がしっかりしていれば感染は起こりそうもないのですが、ネコ免疫不全ウイルス感染などの免疫を障害する病気と一緒に起こることがありますし、またそうでなくてもまれに寄生がみられることがあります。したがって、現在では犬と同じに、蚊の季節には薬を飲ませて予防しようという考えが主流です。その他肺に寄生する肺虫、肺吸虫、大腸に寄生するストロンギロイデス(糞線虫)、肝臓に寄生する肝吸虫、膵臓に寄生する膵吸虫などが知られていますが、わが国では糞線虫を除きあまりみられないものです。