いわゆるサナダムシの類で、体は平べったいひも状で、無数の体節というくぎりがあります。瓜実条虫というものが最も多くみられます。成虫は50cmにも達し、小腸の粘膜について寄生します。個々の体節が1匹の虫のようなもので、その中に雌と雄の生殖器官があり、卵もその中に存在します。そして虫の尾の方の古くなった体節は便の中に1個ずつ落ちてきます。排泄されたものはすぐにはかぼちゃの種のような形をしていて動き、肛門の回りの毛などについていたり、環境中に落ちて、卵をまき散らします。乾燥したものは白い米粒のようにみえます。卵はノミの幼虫が食べて、幼虫がノミに成熟すると同時に、ノミ体内で猫に感染できる条虫の子虫が完成します。そして猫がグルーミングの際に、条虫の子虫を持ったノミを食べて、猫の体に条虫が感染するわけです。そして2-3週後には、猫からまた次の卵を持った条虫の体節が排泄され、このサイクルが繰り返されることになります。感染した猫には大した症状はでないのですが、おしりのところに動く白い粒がでてくるのはとても気味が悪いもので、注意深い猫の飼い主ならばすぐにみつけることができるでしょう。事実、病院での便の検査で卵や体節がみつかることはまれで、たいていは飼い主が発見して病院にくるようです。駆虫薬も使用できますが、実はノミのコントロールなしには条虫の駆除は不可能です。猫の体に1匹ノミをみつけたら、環境中には100倍の幼虫がいると考えられます。もう少し温かくなると本格的なノミのシーズンになりますので、そのときに効果的なノミコントロールを紹介します。