脳の中にある脳室というわずかな隙間に水がたまり、ここが拡張して脳が圧迫される病気で、おそらく先天的な要因が関与していると思われる子犬によくみられる病気である。マルチーズ、ヨークシャーテリア、イングリッシュブルドッグ、チワワ、ラサアプソ、ポメラニアン、トイプードル、ケアンテリア、ボストンテリア、パグ、ペキニーズでは他の犬種より発生が多い。多くが子犬の時にみつかっているが、一つの考え方として分娩時に産道を通るときに頭がひっかかり障害がおこるというものがある。また脳の感染などが原因で、炎症性に水がたまるものもある。
全く症状を示さないものも、頭を壁に押しつける、姿勢の異常、無目的に歩き回る、眼が見えないなえどの神経症状を示すものもある。また症状を示さないものでもしつけトレーニングがうまく行かないなどで気づかれることもある。
診断は特徴的な症状、レントゲン検査、CTスキャンで行われる。脳炎があるかどうかは脳脊髄液の検査で調べる。症状のないものでは治療は必要ない。症状のあるものでは、薬物療法で脳脊髄液を少なくしたり、あるいは手術によって脳脊髄液を他に流す処置を行うこともできる。