先天的な異常で、腸から吸収した栄養を肝臓に運ぶ血管である門脈が、肝臓に入らないで体の方の循環につながってしまっている病気で、この結果肝臓はきちんとあっても、開店休業の状態で、結局は機能できないため肝不全となる。
若い犬に肝不全を疑う症状、とくに肝性脳症がみられた場合にはこの病気が疑われる。遺伝性かどうかははっきりわかっていないが、ミニチュアシュナウザー、ヨークシャーテリアに多い。多くの場合6カ月までに症状が出る。食後の神経異常、すなわち肝性脳症が主体で、嘔吐、食欲不振はみられたりみられなかったりする。
様々な検査で肝不全があることをまず証明して、若い犬ならばこの病気が非常に疑われるので、手術の準備をして血管の造影検査を行い、血管の異常の位置を確かめて、手術で直す。ただし微妙な血管の手術なので、大学や大病院など専門医に紹介されることが多い。手術後順調なものは、その後は生存率はきわめて高い。