JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

犬の病気バベシア症

原因

バベシア・ギブソニと呼ばれる赤血球上に寄生する、小型の寄生体が原因の、赤血球の破壊にともなう貧血。わが国では九州から本州は青森まで分布しているが南・西日本に比較的多い。別のバベシア・カニスと呼ばれるものは沖縄だけに存在する。ダニが媒介するといわれているが、その他闘犬にもよく発生するので、けんかや出血をともなう傷も感染の原因になるのかもしれない。

症状

劇症のものと軽症のものでは症状が異なる。劇症では発熱、元気消失、食欲廃絶、虚脱(倒れる)、赤色尿、黄疸などがみられる。軽症あるいは慢性のものでは発熱、元気消失、食欲不振がみられる程度である。

治療

血液検査で寄生体が確認されれば、貧血に対する補助治療とあわせてバベシアに対する薬物治療を行う。薬物は急速に寄生体を死滅させるものではないが、数を減らし犬自身の免疫が感染をコントロールできるようにする。ただし回復しても犬は無症状のキャリアー(保菌動物)になりやすい。