原因には神経反射の異常、痛みによる排便困難、心因性、薬物性、機械的閉塞、内分泌異常が考えられます。たとえば神経支配に異常が起こると大腸が広がってしまい、便を押し出せなくなります。これは腰部の脊椎に異常が起こって神経が圧迫された時などに起こります。また肛門付近に膿瘍や化膿巣があれば痛みのために排便をいやがります。そしてがまんすると便が固くなって、さらに排便時の痛みが激しくなります。便器が汚れているとか、他の猫にじゃまされるという原因で便秘になる猫もいます。薬物で便秘が起こることも知られているので、他の病院で薬を与えられたことなどの情報も重要です。またバリウム造影剤でも便秘が起こることがあります。大腸に閉塞があっても便秘になります。これは腸の中の問題(異物、腫瘍)と、腸の外からの圧迫(腫瘍や骨折)があります。また長毛種などで肛門周囲の毛に便が付着して乾いて、肛門を閉塞するものもあります。このように原因は多様で、原因を正しく診断しないと治療できないものが多いので、素人療法は禁物です。とくに人間用の下剤や浣腸など、家庭では絶対に使用するべきではありません。