JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

猫の病気眼のけがと異常

眼に急な異常が発生した場合は、適切な救急処置を行うことで痛みを軽くして、さらに失明の危険も少なくすることが可能です。眼を激しくこする、光がまぶしそうで眼をぱちぱちする、しっかり閉じたまま、眼のまわりのまぶたの部分が腫れたりけいれんする、涙のような水様分泌液が多く出るなどが眼に異物が入ったり、傷がついたときの症状です。また、激しい外傷の場合は、眼球が飛び出たり、眼の部分が激しく腫れて、激しい痛みもみられます。眼の傷などは、専門家でないと正しく処置することはできません。したがって、処置はあくまでも救急処置にとどめてください。眼を激しくこすったりしている場合、まず行うべきことは、猫をしっかり押さえてそれ以上の傷がつかないようにすることです。まぶたと眼球の間に異物が入っている場合には、まぶたを少し外に引っ張り、水で濡らした綿棒で異物をとることができます。しかし猫が暴れるようならば、タオルで包んですぐに病院へ行くのがよいでしょう。また眼球の表面についている異物はさわらない方がよいでしょう。眼球を傷つける恐れがあります。そのような場合は、眼科用の洗浄液(2%ほう酸水)を眼にたらして、病院に行くのがよいでしょう。眼に薬品などが誤って入って刺激が強い場合には、水で洗うのがベストです。このときに洗った水がよい方の眼に入らないように気をつけます。そして病院に行って診察を受けましょう。眼から出血がある場合には清潔なガーゼをあてて圧迫します。冷たい水で濡らしたハンカチをその上から当てるのも、出血を止めるのに役立ちます。そして包帯を巻いて病院に行きます。もし眼球に大きな傷がある場合は、圧迫せずに、頭を動かしたり、かいたりしないようにだけ気をつけて、すぐに病院に行くのがベストです。眼球が飛び出てしまった場合は、すぐに病院に行く必要があります。無理に眼球を押し戻したりせず、乾かないようにということ、ショックが起こっていないか注意すること、が救急処置の要点です。眼が乾かないようにするにはきれいな水(できれば蒸留水や精製水)をかけます。1時間以内に病院に行けない場合には、オリーブオイルをかけます。激しい出血などでショックも予想されるので、できるだけ急いでください。