JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

猫の病気体の外への出血

まず大切なことは、助ける側の人間が、血をみてパニックに陥らないことです。そして、動物が痛みなどのために激しく動かないようにすることも重要です。ます猫が安心して、しかも動かないようにしてやることが大切です。これにはタオルや毛布を使います。頭を外に出して、上から優しく包むようにするのがよいでしょう。そして、抱く場合もタオルなどで包んだまま抱きます。 小さな傷からの出血ならば、そのままにしておいても数分で止まるものです。またたいていの出血は、圧迫によって止まるはずです。圧迫には、きれいなガーゼ、あるいはなければハンカチでもTシャツでも何でもいいので、傷の上に巻くなどして圧迫します。このような圧迫のためには、救急箱にガーゼや包帯を入れておくのがよいでしょう。正しい圧迫の方法は、まずガーゼを傷に当て、その上を包帯で巻くことです。一度包帯を巻いたらすぐに病院に行くべきです。出血が止まったかどうかみるために包帯をはずすと、また出血することがあります。大量の血液が心臓の拍動と一緒に、どくんどくんと出ている場合は、大きな動脈が破れています。この場合は、出血している場所への圧迫は行いますが、それでも出血が止まらない場合には、もう1つ出血場所より心臓に近い方を圧迫する必要があります。あるいは、やや黒ずんだ血液がどんどん出てくる場合は、静脈からの出血なので、出血場所の圧迫に加え、出血場所より心臓に遠い方を圧迫することが必要になるかもしれません。このような止血帯は主に手足などで使いますが、かける場合には特別の注意が必要です。まず止血帯の強さは、傷口からはまだしみ出る位の出血は残る程度にすること。そして止血帯と体の間には人間の指が入る位の余裕はとっておくことです。さらに重要なことは、10分おきにゆるめることです。止血帯は最後の手段として、本当に必要なときだけにしてください。まず最初に行うのは、局所の圧迫であることを忘れないでください。手足などからの大出血は、普通はおおごとと思って処置しますが、案外大したことのない出血だと思われるもので、死ぬほどの大出血になるものもあります。これの代表が耳からの出血、フットパッドからの出血です。耳の場合は、頭を激しく振ることによって、血が止まらなくなるので、耳にガーゼを当てて圧迫し、ストッキングをかぶせる、頭部を振らないように固定するなどの処置が必要です。フットパッドも、歩かないようにさせて、横にしたまま圧迫するのがベストです。