JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

犬の病気犬糸状虫症(フィラリア症)

原因

心臓と肺へ行く血管に寄生する細い紐の様な虫で、これからミクロフィラリアと呼ばれる小型の子虫が無数に生まれ、血液の中をめぐる。これを蚊が吸血して、蚊の体内で感染子虫に成長し、他の犬を吸血する際に伝搬する。皮膚から入った子虫は犬の体内で変態を重ね、約100日後には心臓に到達して肺の血管に寄生する。約6カ月後にはミクロフィラリアが生まれる。

症状

心臓と肺の病気が起こるが、気づかれずに進行するので要注意。体重減少、咳、運動不耐(疲れる)などが初期の症状。末期には心臓が完全に機能不全を起こし、腹水がたまることもある。肝臓を冒されたり、激しい貧血がみられることもある。進行したものでは治療も困難で死亡率も高い。

治療

成虫が心臓にいる場合の治療は、心臓や肺のおかされかたで治療も異なるが、様々な薬物療法を行ったり、時には血管から長い鉗子を入れて成虫を引きずり出すことや手術を行うこともある。

予防

月に1回ののみ薬で、蚊に刺された後に皮膚の中で虫が成長して行くのをくい止めることが可能。予防実施に当たっては、必ず血液検査を行って、ミクロフィラリアがいないことを確かめてから行う。薬を飲ませる期間は、蚊が飛んでいる期間で、土地によって異なるが大体、初夏から初冬までの間である。