口に鈎を持った寄生虫で、腸に鈎を引っかけて寄生する。感染犬の便の中に出た卵が孵化して子虫の状態になって、子犬の口から感染する、あるいは皮膚を貫通して感染するものが多い。一部は母親のミルクの中に子虫がいて感染する。口から入ったものはそのまま腸内で成熟し、皮膚から入ったものはいったん肺に行き、咳で出たものがまた口から入る。感染から3週後には多量の卵が便に出る。
消化器症状とともに出血がみられることがある。すなわち上部(小腸)からの出血ではタール便となり、下部からの出血では赤い血のついた便となる。また血を失うことで鉄欠乏性貧血がみられることがある。
駆虫薬で治療可能。また貧血の激しいものでは輸血が必要。感染が予想される場合、母親と子犬を、8週齢までに数回駆虫することもある。さらにその後も追加の駆虫を行うとよい。環境の清掃も重要。