おそらく胃腸内での免疫反応が原因ではないかと考えられている急性の胃腸炎で、血の混じった嘔吐、下痢とともに、血液が濃縮して重篤な状態になる病気で、パルボウイルス腸炎とも一見にている。
若い成犬(2-4歳)のトイ、ミニチュア種に多くみられる。急に嘔吐と元気消失が始まり、数時間後には血液を混じた悪臭のする水様性下痢がみられる。次にショックの状態となる。ショックとは血液の損失が激しいときなどにおこる、全身への血液供給が下がった状態で、ぐったりし、呼吸と心拍は早くなり、血圧低下、低体温などが特徴である。血液検査を行うと血液が濃縮されていて、ヘマトクリット値が60%を越えていることもある。パルボウイルス腸炎とは、血液の高度の濃縮、発熱がない、白血球減少症がない点が異なるが、これらを区別するためには病院で検査を受ける必要がある。
早期に輸液療法で治療すれば救命率は高い。食事は嘔吐、下痢がおさまるまで控えておくが、通常1-2日で回復する。その他抗生物質の投与や、必要に応じて輸血が行われる。また一部の例では血液凝固の異常が起こり、体の中で血液が固まるため凝固因子が失われて次に血液は固まりにくくなる複雑な病気が起こるので、そのための治療も必要になることがある。