猫の外部寄生虫症として最も多いのがノミ感染ですが、単にノミが刺す場合と、それによってアレルギーになる場合があります。ノミの種類で多いのがネコノミで、次にイヌノミもみられます。雌のノミは1年に数百もの卵を産むので、1匹のノミがいるということはそれが数百倍にも増えることを意味しています。ノミが体にみえなくても、黒い糞がある時には(濡らしたティッシューの上で赤くなる)、ノミは必ずいるものと思ってよいでしょう。背中にぶつぶつの痂皮と丘疹がみられる粟粒性皮膚炎と呼ばれる皮膚病は、ほとんどがノミアレルギー性皮膚炎が原因です。これはノミの唾液に対するアレルギーです。またノミに対するアレルギーで、好酸球性肉芽腫群とよばれる病気がみられることがあります。これは、唇が潰瘍のようにえぐれる無痛潰瘍、平らな湿った脱毛部ができる好酸球性プラーク、口の中や後肢後面にできる結節、線状肉芽腫というものです。このようなアレルギーは温かい季節によく発生しますが、最近では室内暖房も進んで、1年中みられることもあります。対策としては環境内のノミのコントロールが重要です。