JBVP一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム
Japanese Board of Veterinary Practitioners

猫の病気猫疥癬(かいせん)

猫小穿孔ヒゼンダニ(猫小穿孔疥癬虫)というダニの寄生で、それほど多い病気ではありませんが、不衛生な環境で多数の猫が飼育されていたりするとよくみられます。このダニは猫の体で一生を過ごし、体から落ちると数日で死んでしまいます。感染すると最初には激しいかゆみが頭部、頚部にみられ、猫は掻いたり頭を振ったりします。そして次に、赤くなったり、ふけがでたり、脱毛、皮膚の肥厚、痂皮(かさぶた)などもみられるようになります。このような病変はとくに頭部や耳に集中するようですが、四肢や会陰部に広がることもあります。病院では皮膚の掻爬検査で寄生虫を探します。診断が確定したら、イベルメクチンという寄生虫に良く効く薬があるのでこれを投与するか、あるいは薬浴剤でシャンプーします。人間への感染はまれに起こります。人間の皮膚にも水庖、紅斑、丘疹、尋麻疹様の病変ができて激しいかゆみを伴います。しかしながら、多くの場合、感染源(猫)を治療すれば、人間の方は治療しなくても治ります。