膿瘍というのは、咬み傷、すり傷などから細菌が感染して皮膚の中に膿がたまった状態すなわち化膿性の炎症です。このような化膿の原因菌の多くは、口の中に正常でも生育する細菌で、このことからも原因の多くは喧嘩によるものであると思われます。皮膚をみると、膿瘍の部分では比較的境界がはっきりしたドーム状の盛り上がりにみえます。喧嘩と深い関連があるため、手足、尾根部、背中などによくみられ、とくに未去勢の雄によく発生します。傷を負ってから12時間以内に病院に行けば、たいていは抗生物質を1回注射して、局所の傷の処置を行うことで、膿瘍にまで発展することなく治りますが、膿瘍になってしまうと、切開して膿を出したり、傷が治るまで消毒を重ねたり、治療はかなり大変です。