原虫の仲間のトキソプラズマは自然界に広く分布していて、猫以外のほ乳動物(ネズミ、豚など)、鳥、は虫類、両生類、魚類などが感染して病原体をばらまく役割を果たし、土の中にもオオシストはみつかります。
そして最終的に猫が感染して、終末宿主となります。したがって感染の経路は、ネズミから、生肉から、土から、また他の猫の便からといろいろです。
猫が感染した場合、多くは無症状のまま終わってしまいますが、一部は症状をだし、治療を行なわないと死亡します。症状は熱、元気・食欲の消失、嘔吐、下痢、呼吸困難、黄疸、眼・神経症状など様々で、他の病気との区別はかなり難しいものです。
診断がついた場合にはサルファ剤等の投与を行ないます。この病気の人間への危険性について猫がとくに危険視された時代もありましたが、現在では衛生的な配慮をきちんと行えば、妊婦が猫を飼っても危険はないと考えられています。
すなわち、食事の前には手を洗い、猫の便は1日以内に片付け(心配ならばゴム手袋をして)、便器の熱湯消毒を行なえば安心です。
また豚肉、ラム肉は生や半生では食べないことが重要です。さらにトキソプラズマに対する抗体を持っている人は免疫ができているので大丈夫です。