耳ヒゼンダニ(耳疥癬虫)は猫の外耳炎の原因として最も多く、また皮膚病を起こすこともあります。皮膚に病変ができる場合には、頭部、頚部、体幹、四肢先端にみられます。また耳だけの問題の場合にも耳介に病変が見られることがあります。皮膚の変化としては、部分的な脱毛、発赤、、痂皮とかゆみがみられます。したがって掻くことによる傷がかなり激しくなります。また耳の中の問題の場合には、黒い耳垢がたまり、掻いたり激しく頭を振るなどの症状がみられます。人間への感染はまれですが起こり得るものです。皮膚に水庖、紅斑、丘疹、尋麻疹様の病変ができて激しいかゆみを伴います。しかしながら、感染源(猫)を治療すれば、人間の方は治療しなくても治ります。ニキビダニ(毛包虫)症は通常は皮膚に起こりますが、頭部、耳介、頚部によくみられることから、耳のかゆみの原因として含まれます。ツメダニ症は別名、歩くフケ、と呼ばれますが、ネコツメダニという白くて小さいフケの様に見える寄生虫が原因です。体幹部や背部にフケのような落屑がみられ、小さな丘疹や痂皮が見られることもありますし、耳の中で動いていることもあります。人間には猫の症例の20-80%で感染がみられるとされているので、猫を飼っている人にかゆみがみられたら人間の皮膚科に行くのがよいでしょう。しかしながら猫の治療を行えば、人間の方も自然に治りますので、どうか猫を悪者扱いしないでください。