会長ごあいさつ

第20回記念大会によせて

この20年間,われわれは何を目指してこのJBVPを運営してきたのか,そして何を成し遂げたのかを考えると,何も成し遂げてはいないと思います.われわれの考える理想は遙か遠くにあり,頂上に着いたと思ったら,その先の高みにまだ道は続いていた,そういうことを今も繰り返しているのです.確かに若い獣医師達が勉強する環境は作ってきたし,それを通じて新しい情報,正しい情報を伝えてきました.しかしそれで獣医師が変わったか,獣医界が変わったかといえばそうでもなく,やはりわれわれが影響を及ぼすことができた集団は,獣医界のごく一部でしかなかったということなのでしょう.しかしながら,これでいいと思えないことがわれわれにとってむしろ幸いであり,われわれにはまだまだやることが残っているということなのです.獣医師達の学び方にも少しずつ変化が現れているし,獣医師の働き方も少し変わってきたことは事実です.また,獣医界を取り巻く環境,とくに人口構成,動物と暮らす人々の傾向や数の動向,社会の経済も徐々に変化しています.ということは,われわれの情報伝達手段もそれにあわせて変化させなければならないということであり,情報を与える側も,頭も身体も若返らなくてはならないということでしょう.しかし,われわれも歳を重ねるし社会も高齢者が増えるということは,われわれには高齢者はきっとこうしてもらいたいということがよりわかるようになるわけで,別にわれわれの仕事が時代遅れになるというものでもないでしょう.

ということで,われわれは,まだゴールに到達できていないことにより闘志を燃やし,これからの20年間も同じように進みたいと思っています.ゴールが見えない戦いではなく,ゴールはわれわれが理想とする人と動物の暮らしですから,ゴールは見えるのです.最新の伴侶動物獣医学の発展と実践をもって人と動物が幸せに暮らせる社会を作る,これがゴールです.しかも,そのゴールはなかなか近づいてこないからこそやりがいもあるのです.これからの20年,われわれは獣医界と一般社会の両方に働きかけ,われわれも疲弊しないように,若者の力も大いに借りて,あるいはわれわれの頭脳を駆使した効率的な手法をもって,この社会を変えるべく努力を続けたいと思います.汗をかくことをいとわない若い人達をさらに取り込み,さらにJBVPの組織を充実させて,目標に近づくように努力します.

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石田卓夫
一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラム 会長

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